読書ログ『勝者の呼吸』

行きつけの鍼灸院で勧められて読んだ本です。
同じく呼吸法について書かれた『スタンフォード式 疲れない体』と合わせて読みました。
スタンフォード式の方でもIAP呼吸法について書かれていて、この勝者の呼呼吸でもIAPが紹介されています。


1日2万回の呼吸が最もパフォーマンスに影響する

人間にもっとも必要な栄養素はなんだろうか、水を飲まないと数日で人は死に至る。食べ物なら1週間以上食べなくても死なない。しかし呼吸はどうだろ。数分止まれば死に至る。
酸素は私たちの体を動かす上で最も重要な栄養であるが、水や食料の摂取に気をつか人はいても酸素の摂取に気を遣う人は少ない。

私がこの本に興味を持ったのは、ゴルフのパフォーマンスの向上に役立つツールとしてFocusabndを使っているからだ。
これは脳波を測定することで、パフォーマンスに必要な集中度を計測することができるのだが、呼吸が脳波に大きな影響を与えることを身を以て感じたからだ。

この本にも記述してある通り、優秀なアスリートの共通するのは実は呼吸のスキル。一流アスリートは共通して横隔膜が発達し腹腔内圧が高い状態で呼吸をしていることが分かっている。

正しい呼吸をすることは以下の点でパフォーマンスの向上に役立つことが分かっている。
①体幹の安定
体幹の安定は呼吸の際に横隔膜が正しく収縮し、腹腔に向かい下がることで、その他の腹筋群や骨盤底筋群が引き延ばされるように収縮し腹圧が高まり、腹圧を高まることで脊柱支え、脊柱が安定を獲得すると自由な四肢(手足)の可動が可能になります。要するに正しい呼吸は正しい姿勢や正しい動きを獲得するのに不可欠な要素なのです。

②回復機能の安定
呼吸を整えることで、心拍数が落ち着き、副交感神経が優位な状態となる。副交感神経は別名回復の神経とも呼ばれ、主に体の回復機能に作用している。疲労や怪我などの回復には副交感神経を働かせることが重要であるが、この状態を作るためには深い呼吸は必要不可欠である。実際に良質な睡眠を取っている時にはお腹が上下に大きく動き、人間は自然と深くゆっくりとした呼吸をすることで服交換新家優位な状態を作り出している。良質な呼吸はこうした回復を促す意味を持っている。

③感情の安定
呼吸が平常心を作る。ある怪我をしたメジャーリーガーが治療のために呼吸のトレーニングを取りれたところ、打席での落ち着きが増し成績が向上した。これは横隔膜がリラックスした状態となり、呼吸が深くなり、心拍数が減少し、過緊張の状態からパフォーマンスを発揮しやすい状態へと変化したことがメンタルの安定に繋がったと考えらえる。武道の達人や一流のアスリートにもお腹の柔らかさは共通し、それぞれが呼吸が深く、心拍が安定していることがわかっている。

この本は、呼吸が人間の特にスポーツ選手のパフォーマンスにどのように影響しているかを様々な事例をもとに説明しながら、トレーナー独自の視点でそのトレーニング方法やエクササイズも紹介されていて実用的である。
私もメンタルフィットネストレーナーの資格取得の際に、呼吸に関わるエクササイズを学んだが、本書に紹介されているものも多くスポーツに関わる人だけでなく、パフォーマンスを発揮したビジネスマンや、疲れがたまりやすいという方にもオススメの本だと思う。

心技体に影響する呼吸

パフォーマンスの影響は前述した通りだが、実際にゴルフのプレーの時に呼吸を意識してプレーしてみた。
例えば朝一番のティーショットであれば、普段の緊張が深い呼吸によって和らぐのを感じるし、歩いている最中も呼吸を意識すると姿勢が安定し疲労度が低く感じる。また逆にミスをした時には心拍数が上がり呼吸が浅く早くなるのを感じるし、プレッシャーのかかる場面では呼吸が止まったり、呼吸への意識を保つことが難しいことも分かった。

呼吸は身体の可動性にも影響しているし、ゴルフのような長時間に及ぶスポーツでは持久力にも影響を与えたりプレー後の回復にも影響を与える。そしてプレー中には心拍数を落ち着かさせることで集中を保つなどの効果もあることが身を以て実感できる。

一方で良い呼吸を続けるというのは想像以上に難しく、これには”意識”だけではなく普段から意識をしたり、エクササイズを続けることでどんな場面でも呼吸を乱さないということが出来るようになる。

良い姿勢と良い呼吸

呼吸にもっとも影響を与えることと言えば姿勢だろう。
背筋を伸ばした姿勢だと胸やお腹が開き、横隔膜、肺、お腹、背中を動かした呼吸が出来る。
例えばデスクワークを長時間して前のめりになって姿勢が乱れてくると、自然と呼吸が浅くなっていることに気づく。
デスクワークからくる肩こりや、目の疲れも姿勢を正して呼吸を意識することで改善できるかもしれない。

実践してみた

実際に呼吸についてはメンタルフィットネストレーナーの参考書、スタンフォード式疲れない体、勝者の呼吸と3冊の本を読んである程度知識は入っていたので、エクササイズを含めた呼吸トレーニングを1ヶ月以上に渡り継続してみた。
トレーニングの内容は「ストレッチ」「バランストレーニング」そして「呼吸」という3つの項目を組み合わせて不定期だが継続して行なった。
ストレッチではトリガーポイントを使って臀部、腰部、体側部などの体幹に影響する筋肉をほぐしたりチューブを使ったストレッチを行なった。バランスボールやストレッチーポールは姿勢を整えるために体幹の強化として行い、呼吸が仰向けの状態で腰椎が床から浮かないようにお腹を引き上げる呼吸トレーニングを行なった。
測定にはフォーカスバンドを使い、呼吸がパフォーマンスの向上に繋がっているのかを確認した。
結果としてはフォーカスバンドでスコア30程度だったものが1ヶ月後には90以上にまで向上した。
なにより実感したのは精神的に穏やかになったことで、体調の変化よりも実の変化に大きな差を感じる結果となった。

まとめ

これまで書いてきたように、本書の感想というよりもIAPを中心とした「呼吸」という行為の重要性について何冊かの本のまとめとして紹介した。
この本を紹介したのは、呼吸に関する重要性、事例、身につけるための方法がわかりやすく書かれていたからだ。
その効果も書いた通りだが、実践して以来呼吸に対する意識が高くなり、パフォーマンスは自分で気づくことは難しいが、精神的な穏やかさについては認識できるレベルで向上した。
今後も呼吸については普段から生活レベルでの意識や、トレーニングを取り入れるなど積極的に続けていきたい。

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投稿者:

大矢隆司(Takashi Oya)

ゴルフコーチ、日本とタイを行き来しながら新しいワークスタイルも研究中です。 詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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