基本に勝るものなし。本当のゴルフ上達法は地味な基礎練習を繰り返すことです。

今年はシンデレラガール渋野選手の話題で持ちきりだった女子ゴルフですが、彼女の成長について青木コーチが語っているニュースを目にしました。

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なぜ一流選手は基礎練習をするのか?

記事の中にはサンドウェッジで1日600~700球の練習を毎日行った話や、ショートパットを毎日ラウンド後に欠かさず練習したことなどが紹介されていますが、これは渋野選手だけではなく、偉大なプレイヤーと呼ばれる全ての人に共通していることです。
野球のイチロー選手は子供の頃に7年間欠かさずにバッティングセンターに通い、プロ入り後も同じルーティーンを崩さずに練習を続けていたのは有名な話ですし、松井秀喜選手も「素振りが僕のバッティングの土台」と言って毎日欠かさず素振りをしていたことは多くの人に知られています。

実際に私もThe Golf Retreatの活動で、5日間ほどのまとまった日数のゴルフキャンプを提供している中でも、単調な基礎練習を5日間続けていた方が成長するのを目の当たりにしています。

技能上達に必要な3つの段階

私たちは練習でできたと思っても、それを本番でパフォーマンスとして発揮するためには、いくつかの段階を経る必要があります。
一般的なトレーニング論では、1.)意識的段階、2.)感覚と運動の連合段階、3.)無意識的な段階というステップを踏んで技術が身につくと言われています。

意識的段階

最初の段階は簡単にいうと「やろうしている段階」です。
意識をしているが、体が思ったように動かないというような状態です。

感覚と運動の連合段階

2段階目は意識と体の動きが連動してくる段階です。よく「あ、分かった。」と思うような段階で、多くの人はこの時点で出来たと思って練習をやめてしまいます。

無意識的な段階

3段階目は無意識で自動化された状態です。やろうとしなくても出来るという状態になってはじめて身についたと言えます。

例えば野球でいうトスバッティングや素振りという基礎練習は、バットを振る、ボールに当てる、という技術の基礎と言えますが、その中で動きの微調整を繰り返すことで無意識段階へと昇華させる手段なのです。

ゴルフでの基礎練習

ゴルフでの基礎練習とは何でしょうか。
私はアプローチやパッティングなどの小さなスイングに基礎となる土台があると信じています。

長いクラブは遠心力が多く働くので、どうしても力に頼ったスイングになってしまいます。
もちろんスピードやパワーをあげる手段として、長いクラブでの練習も不可欠ですが、クラブをボールに当てるという基本的な動作を身につける意味ではアプローチやパッティングはその基礎と言えます。

タイガーウッズ選手の練習ルーティーンを見ても、ウェッジやショートアイアンの練習に長い時間を費やすことがわかります。
これは多くのトッププレイヤーに共通していることではないでしょうか。

基礎をおろそかにしてしまうのは、自分の能力を把握できていないから

以前に「ゴルフが上達しないのは「人は自分の能力を正確に評価することができない」からです。」という記事を投稿しましたが、なぜトップアスリートは基礎練習を重視して長く続けられるのに、アマチュアが基礎練習を続けられないか?という根本的な問いの答えは、自分の能力を見誤るということだと思います。

これは正確に言えば基礎の大切さを理解できるレベルに達していないということです。

トップアスリートと言われる彼らも、昔はおそらく基礎練習をやらされているという感じだったと思います。
退屈だなーとか、今日はやりたくないなーと思いながらも、コーチや監督、仲間からの励ましがあって続けてこられた。
そして選手となり、山も谷も経験する中で、基礎の大切さを学び、いつしかそれを自分自身が信じられるようになるということなんだと思います。

上達できるかというのは言い換えれば、基礎の大切さに気づくまで基礎を続けられるか?ということにかかっているのではないでしょうか。

この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、ゴルフ場のオーナー代理人、ゴルフコース改修プロジェクトマネージャー、人材育成のためのコーチング、セミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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