プロゴルファーとラウンドしたら幾ら払えばいいの?

Youtubeで拝見していたSho-timeゴルフさんのTwitter投稿が目に止まりました。

プロとラウンドするのにお金を払うことを知らない人が多すぎて悲しい。こちらからはお金くださいとはなかなか言い出せないしなー

— Sho-Time Golf (@sho_timegolf) June 3, 2020

「プロと回るのに金を払ってもらえない」「こちらからお金くださいとは言いづらい」「プレー代を出してもらっても交通費などで結局赤字」

これはゴルフコーチやプロゴルファーに限らず、おそらく多くの無形サービスを提供するフリーランスが抱える問題だと思います。
実際に私の周りでも一緒にプレーをした方から、お金を頂くという行為に悩んでいる人がいます。

一方でアマチュアゴルファーの立場からすれば、いくら払っていいのか分からないし、「そもそもお金がかかるなんて聞いてない」というのが本音だと思います。

私たちが勘違いしてはいけないのは、ほとんどのお客様は支払う気がないのではなく、支払うべきかどうかも、いくらが妥当なのかも、ただ知らないだけなのです。
そしてこの問題は双方が感情(気持ち)の問題と認識してしまう事が原因なのです。

今回はなぜそのような問題が起こってしまうのか、またどうすれば良いのかについて私なりの意見を述べると同時に、プロゴルファーの事例を中心に、同様に無形サービスを提供するフリーランスの方達にも参考になれば思い書いてみました。

目次

結論

プロにラウンドレッスンを依頼したら、現金で1日5万円が目安です。

筆者プロフィール


私は1980年生まれで現在40歳、15歳で単身オーストラリアへ3年間のゴルフ留学後、21歳の大学在学中にゴルフコーチとしてフリーランスになり、25歳でゴルフレッスン会社を起業し、35歳でMBA(経営学修士課程)を修了し、国内外で会社経営しています。
友達や先輩後輩にもプロゴルファーも多く、仕事ではエンジニアやデザイナー、会計士やコンサルタントなどのフリーランスの方達とお付き合いがあります。
自身が売り手側、買い手側、そして法人としてビジネスをしてきた経験を踏まえて書きます。
→詳しいプロフィール

サービスを無償提供してしまう要因

まず今回のケースのように結果的にサービスを無償で提供することになってしまう要因ですが、一つ目に報酬と謝礼の認識の違い、2つ目に無形サービスの特徴的課題、そして3つ目にプライシングの問題、4つ目に顧客とは誰を指すのか?という顧客定義の問題があると思います。

報酬と謝礼の認識の違い

まず第一に上げられるのは、「報酬」と「謝礼」の認識が曖昧ということだと思います。

基本的な考え方として労働に対する対価が「報酬」であり、協力に対してのお礼が「謝礼(謝金)」です。
これらは税務上では同じ扱いなので受け取る側は違いを感じにくいですが、支払う側の認識は全く違います。

まず「報酬」は契約に基づきお金を支払う義務がありますが、「謝礼」はあくまでも感謝の気持ちを表すものであり必ずしもお金じゃなくても良いです。

例えばあなたが「仕事」と思って金銭的な「報酬」を期待していたのに、相手は誘ったら来てくれたので「謝礼」として交通費や手間賃程度の食事やプレー代を支払われるというケースがあります。

特に日本の教育やスポーツの分野では師弟関係文化が残っていて「師」と 「弟子」の関係は教育はなく「同一化」 と 「模倣」という学習方法が根付いていますし、塾や教室で使われる「月謝」という言葉が示す通り”先生”に支払うのは報酬ではなく「謝礼」という価値観が一般的に浸透しています。

結果として同じサービスを提供した場合でも「報酬」と「謝礼」ではその認識に基づいて受け取る対価や金額に大きな差が出ます。

報酬と謝礼を区別する方法ですが、それを生業にしているかどうか?が基準となります。
例えば、レッスンプロとして教えることを事業としている人であれば当然それは支払う側も受け取る側も「報酬」と認識する必要がありますが、他に本業をもった専門家であれば「謝礼」という認識で良いと思います。

それについては次のプライシングで説明します。

プライシングの問題

ではなぜ、無形サービス特にゴルフも含む教育やスポーツ指導は「報酬」ではなく「謝金」になってしまうのか?それは「価格と価値」のバランスが取りにくいという問題があります。

そもそも利用者側に仕入れが無い(実際にはあるんですけどね)無形サービスでは、買い手側には人件費相当だけ払えば良いという誤解があります。
しかしどんな業界のビジネスでも人件費は高い人もいれば低い人もいますし、移動を伴えば交通費などの経費もかかりますし、プロゴルファーのライセンス取得費用や使用するクラブやウェア、さらにスイング解析をするためのPCもカメラなどの機材もすべて償却資産です。

では実際に一体いくらの値付けが妥当なのでしょうか?

価格設定法には、原価に利益を載せて計算する「コスト志向的価格設定」
顧客が感じる価値、需要、購買行動から価格を算出する「需要志向的価格設定」
他社や業界水準価格から適正価格を算出する「競争志向的価格設定」
という3つのプライシング(値決め)がよく使われます。

例えばゴルフのラウンドレッスンの場合だとコスト志向的価格設定法で計算した場合

プロの労務費+プレー代+交通費+諸経費+利益 = 価格

となります。

仮に一般的なサラリーマンの時給(2,500円)をもとにラウンドにかかる拘束時間(6時間)で計算した場合でも労務費は1.5万円、プレー代が平日で1万円、交通費が都心から1時間かかる場所に高速道路を使っていけば往復1万円、さらに利益(フリーランスは売上から税や保険料なども支払いますし、クラブやウェアなどの資産の償却費、技能や知識の獲得にかかる費用が必要)を1万円とした場合1日のラウンドレッスンの代金は4.5万円で利益率は22.2%となります。
ちなみに売上から直接原価を引いた粗利益が22%というのはビジネスとして見た場合決して高い方ではありません。さらに労務費も専門家の労務費としてはかなり低く見積もられています。
ですが、どうでしょうか?実際に少なく見積もっても4.5万円というフィーを1人で払ってまで一緒にラウンドしたいと思いますか?おそらく多くの方はNoだと思います。なぜか、それは顧客が感じる価値と価格が見合わないからです。

一方でラウンドレッスンに対して「プレー代や食事代くらいだったら出しても良い」というゴルファーが多いということは、1万円〜1.5万円は顧客が価値に見合った価格であると判断していると言えます。
ですから「需要志向的価格設定法」ではこの1.5万円でサービスを提供できる方法を考えます。
実際にGEN-TENではラウンドレッスンは1人1.5万円で提供しています。
4人集まれば6万円の売上になりますが、1人とか2人だと赤字になってしまいます。3名だと4.5万円になるので、プロがプレーをした場合でも「志向的価格設定法」で算出した価格と一致します。
コストと価格のバランスが取りにくい教育サービスでは顧客が適正と感じる価格を設定し、それをある程度まとめた人数になるよう募集をして一度に提供するという方法がよく用いられます。グループレッスンやイベント、集団研修などがそれにあたり、無形教育サービスではおそらく最もよく用いられるプライシングだと思います。

最後に「競争志向的価格設定」についてですが、これは競合や市場平均価格よりも安く(お値打ちに)サービスを提供するということです。しかし安くサービスを提供すると利益が少なくなり投資に回せる資金が減ってしまいますから、長い目で見ると勝ち残ることができません。
この価格設定法の一般的な使われ方として、練習場やスタジオのラウンドレッスンが安い価格で提供されているケースをよく見ます。これは会員を継続してくれることへの特典として提供されているからです。要するにラウンドレッスンというサービスを他社よりも安く提供すれば自社の会員であり続けるメリットが生まれるため会員の離脱率が下げられることで利益が生まれるという仕組みです。

プライシングの原則は持続可能な価格を設定する事、顧客が価値と見合った価格と判断できることが重要なので、他社や業界の動向に合わせて値付けをしても特に意味を持たないことを知っておくと良いと思います。

この「価格」と「価値」を適切に発信していないとビジネスとしては成立しないので、提供側と消費側での「価格の乖離」や、無償提供問題が起こりやすくなってしまいます。
提供側が価格と価値を明示することと、消費者側にその価格が適正かどうか判断できる情報外在的手がかりを与えることが大切です。

それでは次に価格と価値を適切に示せるかを見ていきましょう。

サービス業の特徴と問題

次に一口にサービス業と言っても様々なサービスがありますから、提供価値は様々です。
ホテル、銀行、教育、コンサルティングなど、その種類は多く様々ですが、なかでも特に無償と有償の境が曖昧になってしまうのは、「無形サービス」と呼ばれるサービスものです。

例えばホテルだと部屋や温泉や食事など、見たり、触ったり、味わったり、感じたりしやすいものを「有形サービス」と言います。一方でおもてなしや、雰囲気、情報、などの見たり触ったりできないものを「無形サービス」と言います。ゴルフレッスンも多くは無形サービスの要素によって成り立っています。

そして無形サービスには「無形性、非均一性、不可分性、消滅性、需要変動性」という5つの特徴があるとされます。

5つの特徴
無形性 = 見たり、触れたり、嗅いだり、味わったりできない
非均一性 = いつも同じ品質にならない。人、場所、時間、気候、などで満足度が変わる
不可分性 = 生産と消費が同時になされ、切り離せない
消滅性 = 在庫ができない
需要変動性 =季節、月、週、曜日、時間、で需要が変わる。

例えばゴルフレッスンやラウンドレッスンを例に取ると、

無形性 = 教わった事は見れない、触れない、残らない。
非均一性 = 天気によって満足度が変わる、教える人、一緒に回る人で満足度が変わる
不可分性 = 実際に提供者(プロ)と消費者(お客さん)が一緒に時間を共有しないと成立しない
消滅性 = 時間や労力は在庫ができないので、売れ残りの時間や、ドタキャンされた時間を後で売れるわけではない。
需要変動性 = 夏や冬は客数が減る、週末は多いが平日は少ない。

という具合です。

コンサルティング会社などがレポートやプレゼンテーションに力をいれるのは、情報や提案という無形サービスを見たり触れたりできる成果物として形式化することで利用者が価値を感じやすくするためですし、ホスピタリティを売りにしたサービス業が合同研修を頻繁に実施したり、サービスをマニュアル化するのは非均一性をなくし品質を標準化するためです。
このうように成功する(お金がとれる)サービス業というのは、「サービス業の特徴的課題」を解決する能力を持っていると言うことです。

顧客定義が難しい問題(家族は?友達は?)

最後の要因は「顧客の定義」が不明瞭という問題です。
これまで述べてきたビジネスの視点から少し離れますが、個人的にはこれが一番大きな悩みになるのではないかと思っています。

例えば店舗を持っているようなサービスであれば、営業時間内にお店に来てくれた人はお客様、営業時間外に店外で合う人はお友達というように明確に切り分けれる場合はいいのですが、それでも家族や恋人からお金を取る人は少ないと思います。

では店舗も営業時間もないような無形サービスで、サービスの消費者が友人だったらどうでしょうか?友人も旧知の親友やお世話になった先輩など様々なケースがありますよね。その親友が連れてきた友人だったら?
そうです。場所を特定しない無形サービスの場合、自分の意思でこの人は顧客なのか顧客じゃないのかという“定義”をしなくてはいけません。

そしてもう一つの問題は特にゴルフのような遊びの場合は友達として誘われたのか、それともレッスンを期待されて誘われたのか、受け手がサービスを受ける意思を持っているかという問題もあります。

実際の私の周りのプロゴルファーでも、お客様と仲良くなった途端にお金を払ってもらえなくなったとか、知人に呼ばれて仕事だと思って行ったらお金を払ってもらえなくて憤慨したという話をよく聞きます。

企業に所属しているコーチは会社を通じて依頼されるものは仕事、友達と行くゴルフはプライベートと明確に分けることはできますし、私の場合友人とのゴルフでレッスンをすることもありません。
それは出し惜しみしたり、ケチっている訳ではなくお金を払って受講していただくお客様へのプロとしての約束です。

しかし1人で活動しているプロやコーチは顧客定義の線引きを自分でしなくてはいけません。特に最近はSNSを通じて誘われたり、どんな趣旨で呼ばれているのか分からないケースも増えているので線引きが難しくなっていることも考えると悩ましい問題であることは想像できます。
そしてこの顧客定義問題は振る舞い方を間違えると、大切な人間関係を壊してしまったり、信用を失う危険もありますから、非常にセンシティブな問題です。

サービス無償提供の解決策

解決法はあるのでしょうか?
私は2つの解決方法を提案したいと思います。

無形サービスの特徴的課題を解決しパッケージ化する

一つ目は無形サービスの特徴的課題を解決してそれを「パッケージ化」することです。
これは多くの企業がやっていることですが、個人レベルでも同じことをやれば良いのです。
例えば、

・サービスをあるレベルまで形式化する(カウンセリング→レッスン→レビュー→アフターサービス)
・決まったフォーマットでレッスン内容やラウンドの記録を残す
・価格や支払い方法を明記したサイトを作る
・回数券によるボリュームディスカウントや、受講回数による割引制度を設ける

などです。

これらの工夫は全て消費者に「価格」と「価値」、そして価格に見合った価値があるかの判断材料(外在的手がかり)を与えるということです。
いまは簡単にブログやLP(ランディングページ)が作れる時代なのでそこに明記しておきましょう。
最初から見た目を気にする人もいますが、まずは自分が提供するサービスの価格や価値が社会に公になっているという前提が大切です。
もしサービスではなくあくまでも「謝礼」として受け取ることが希望の場合でも、「お声がけでご一緒させていただく際には謝礼をお願い致します」と明記しましょう。これで支払う意思のない方からのお誘いはほぼ無くなります。

どうしても抵抗がある人は、企業やエージェントを使いましょう。
所属すればすぐにあなたのサービスに値付けをして公開してくれますから、あなたの市場販売価格が決定されます。
特にこれからレッスンを仕事にしようと思う人は、まったく未経験で無形サービスをやるよりも、一度企業やエージェントで経験を積むことで自分の市場価格を付けてもらってから個人で活動するのがオススメです。

プロモーターになってもらう

マーケティングの世界では顧客をレイヤーで区別します。

顧客ロイヤリティレベル
リード = 見込み客
カスタマー = 新規顧客
リピーター = 繰り返しサービスを購入してくれる顧客
プロモーター = サービスを広めたり、他の人に紹介してくれる顧客
ファン = 関係性を維持するために支出を惜しまない顧客

そして無形サービスの価値はファンを増やす事で決まりますが、この中であなたがサービスを提供したにもかかわらず、お金を払わないという人はどこに属すると考えますか?

正解はリードか、プロモーターです。

もし仕事と思って引き受けたのに代金を支払ってもらえなかった場合でも、自分が価値を提供したと思ったら紹介カードを渡して、新規客になっていただくか、もしくは新しいお客様を紹介してもらいましょう。

あなたに相談してくれた人、あなたを誘ってくれる人は、少なくともあなたの価値を認めている人です。
もちろんそれが友人であってもその友人はきっとあなたのビジネスを応援してくれますし、無料でサービスを提供された人はきっとあなたに恩を返そうとしてくれます。
ですから、あなたの価値を認めてくれた人や、あなたを応援してくれる人には、自分のサービスを紹介してくれるための「紹介カード」を渡しましょう。

え、それだけ?と思うかもしれませんが、実はビジネス的にはこれで良いのです。
小さくビジネスをやっている時には気づかないのですが、企業になると売上や費用の内訳を整理して予算を作成するための管理会計という制度を使います。
これは一定の売り上げを獲得するための必要な費用を算出して、資金計画を立てたり、予算配分を作ったりするのですが、その中に「販売管理費」「広告宣伝費」という科目が出てきます。

これは企業が顧客や売り上げを増やすために投資する営業費用のことですが、私たちはこの投資した広告費で何人の顧客を獲得できたのか?という指標をよく見ます。1件の新規顧客を獲得するまでにかかる営業費用にのことでマーケティングの用語ではCPA(Cost Per Action)と言われています。

例えば500万円の広告費を投資して500人のお客様が獲得できたらCPA=10,000円ということです。英会話スクールやトレーニングジムの無料体験なども宣伝広告費になっていたりします。

しかし企業ならまだしも、フリーランスや小規模事業者の場合広告費は使わないというケースが多いのではないでしょうか?
実はスモールビジネスでは広告費を使わないことは悪いことではなくて、属人的(個人の能力やキャラクターに依存する)ビジネスの場合、大量の広告費をかけても効率よく回収できないのでオススメできません。
でもお客様は増やしていきたい。となればあなたをよく知る方からの紹介や口コミが一番有効な顧客獲得手段ということになります。

例えば1日無料でサービスを提供したとしても、その方が次回は有料で受けてくれたり、1人以上の新しいお客様を紹介してくれたらどうでしょうか?CPA=45,000円ということになります。(厳密には費用に利益は含まないのでCPA=35,000円ですが)
そして1人が1回で終わらず2回3回と仕事を依頼してくれたとします。この1人の顧客が生涯に渡ってどれだけ長くサービスを利用してくれるか?というのをLTV(Life time value)と言います。

LTV > CPAになればプラスです。さらにそのお客様から新たにお客様を紹介してもらえるかもしれません。
ちなみにあらゆる業種を含めた全体で見た時の広告費の平均は売上に対して5%から10%で、サービス業の場合は高くても15%から20%と言われています。
CPAを売上の20%以下にしようと思ったら紹介してもらった方から5回仕事が入れば良いのです。それはあなたの腕次第で20%と言わず10%にも5%にもすることができます。

このように「サービスを無償で提供した = 売上の損失」ではなく、「サービスを無償で提供した = 広告宣伝費 = 投資」と認識するということです。
そしてサービスを無償で提供したら必ず紹介カードを渡すという行動を加えることで投資効果を最大にする工夫をするということです。

そして余談ですが、企業でも不況になって売上が低下すると広告費を削減しますよね。個人でも同じで売上が上がっていない時や手元のお金が減ってくると無償でサービスを提供する余裕がなくなり「なんで金払ってくれないんだよ!」という気持ちがどうしても大きくなってきてしまいます。
ただビジネスの原則として費用(投資)をかけないと売上が上がらないのもまた事実です。
ニワトリたまご問題と同じですが、こういう心理になる時はあなたが儲かっていない時だというのも覚えておくといいですよ。

まとめ

ここまで長文を読んでいただきありがとうございます。今回の投稿でレッスンプロに対しては、
1.)無形サービス特有の課題をクリアする
2.)紹介カードを渡す
という2つのポイントを私からの提案として書きました。

一つ明確に解決法を提示しなかった「顧客定義」については、私は無理しなくてもに良いのかなと思っています。
自分の経験上、この人はお客様で、この人はお友達と分けることが、無意味であることを経験しているからです。
なぜなら、お客様が友達や恋人になることだってあるし、その逆で友達がお客様になってくれることもあるからです。

これはどれだけの時間軸でビジネスを見るかという話に繋がりますが、短い時間軸で見れば金を払ってくれなかったお客様が、長い時間軸で見れば最も紹介者が多いプロモーターになっている可能性もあります。
ですから、もしあなたが報酬をいただくに値するプロなのだとしたら、誰に対しても「応援してください」という気持ちで自分のビジネスを紹介するカードを渡すことで、その全ての問題がクリアされます。

逆にNG行動は、代金を払う意思がない人に「代金を払ってください」と言ってしまうことです。
売り手側として言いたくなる気持ちも分かりますが、買い手側になってみるとそんなつもりで誘ったんじゃなかったんだけど…なんか次から声かけにくいな…となってしまって、大切な友人や応援してくれる人、さらには見込み客を失ってしまう可能性があります。

冒頭の「こちらからお金くださいとは言いづらい」という気持ちは本当によく理解できます。
お互いが気持ちよい関係性を続けるためにも、まずはあなた自身がビジネスとして当たり前のことをやるというのが一つの解になるのかもしれませんね。

もしあなたがプロゴルファーとプレーすることなったら

これまではプロゴルファー側の立場から原因や解決策について書いてきましたが、最後にもしこれを読んでいるアマチュアゴルファーの方が、「今度プロと一緒に回ることになったんだけどお金払った方がいいのかな?」と迷っている場合には、これまで書いてきたことを理解していただけましたら、以下をお願いします。

特に料金の提示が無い場合でも「プレー代+現金」がマナーです
プロゴルファーは日本に5千人から1万人ほどいると言われていますが一部の方を除き収入は多くありません。一方でゴルフを続けるにはクラブやウェアの購入から、車の維持費、練習や遠征の費用など多くのお金がかかります。
あなたとプレーするために、時間を使い、交通費を使い、1日をともにしたのであれば、最低でもプレー代+交通費程度の現金は払ってあげてください。ゴルフは皆様にとっては遊びでも、彼らにとっては仕事です。
そして何か有益なアドバイスをもらったり、一緒に連れて行ったゲストに配慮してくれた場合には少し余分に払っていただけると、彼らも仕事として一生懸命にあなたの上達やゴルフライフの向上に貢献してくれるはずです。
もちろんちゃんとラウンドレッスンの料金が明記してあるプロの場合は、そのフィーだけを支払いあとの支払いは不要です。

最後まで読みいただきありがとうございました。
この記事が皆様のお役に立ったら嬉しいです。

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この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、ゴルフ場のオーナー代理人、ゴルフコース改修プロジェクトマネージャー、人材育成のためのコーチング、セミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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