月刊ゴルフマネジメント連載#1 経営学とは?

ゴルフ界の総合経営誌『月刊ゴルフマネジメント』で、経営に関するコラムを連載させていただいております。

月刊ゴルフマネジメント(一季出版)→

第1回はのテーマは『経営学とは?』です。

月刊ゴルフマネジメントに掲載された記事一覧は下記のリンクからご覧いただけます。

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はじめに

読者のみなさまこんにちは。

月刊ゴルフマネジメントでは2021年1月から4年間に渡り、人材育成とコーチングについてのコラムを連載してきました。これは私が4年前の当時はゴルフコーチングやスポーツコーチングの専門家として、セミナーや研修などの活動をしていたという背景から始まったものでした。

私も当時とはキャリアが変わり、現在はゴルフビジネスのコンサルタントや改修工事のプロジェクトマネージャーとして活動しており、また私のバックグラウンドである『元プロゴルファーのMBAホルダー』ということからも業界内では「ゴルフと経営の専門家」というイメージをお持ちの方の方が多く、ゴルフビジネス全般に関する講演や執筆が多いのも事実です。

そこで、これまで全48回続いたコーチングに関するコラムを一旦終了し、今回から「ゴルフ場の経営学」という新たなテーマで連載をさせていただくこととなりました。

今回新たにこのような機会をいただいた一季出版の皆様には感謝を申し上げるとともに、今後は人材育成に限らず、ゴルフ場経営全般についての内容を書いていくことで読者の皆様の日々の業務のヒントになれば幸いです。

今回は第1回目ということで、経営学とは何か?ということを学びながら、今後の連載にむけての準備とさせていただければと思います。

経営学とは何か?

経営学とは、企業や組織が効率的かつ効果的に目標を達成するための知識とスキルを体系化した学問です。戦略の立案、マーケティング、人的資源管理、財務管理といった幅広い分野を含み、現代ビジネスの成功に欠かせない理論と実践のフレームワーク(枠組み)を提供します。これらは単なる理論・知識に留まらず、実際のビジネス現場での応用を前提としていることが特徴であり、こうしたデータは大学などの研究機関による企業研究が基盤となっています。こうした経営学を専門的に学ぶ教育機関を「ビジネススクール」と言いますが、大学や専門学校などで学ぶことができます。読者の皆様の中にも経営学部出身の方もいらっしゃるかもしれませんね。近年では経営学の修士課程でもあるMBA(Master of Business Administration)が経営者や経営幹部に必須の資格と言われるようになっているのも、近年のビジネスの複雑性が増しており、体系立ててビジネスを考える力が必要になっているからだと言われています。

そもそも経営とは何か?

「経営」とは組織が目的を達成するために、ヒト、モノ、カネ、チエなどの資源を計画的かつ効果的に活用するプロセスを管理することを指します。企業が持続的に成長し、社会に価値を提供するための活動全般が「経営」と言われます。

そして経営の最終的な目的は先に述べた通り「持続可能な価値創造」です。企業活動が持続していくためには、顧客への価値提供だけではなく、その価値提供の対価としての売り上げを稼ぎ、その売り上げから「将来への投資」や、「従業員への賃金」、「株主への配当」などに支出されることではじめて「価値創造の再生産」が可能となります。そしてさらに残った利益から「納税」や「環境への配慮」「地域への貢献」などの社会活動を通じて、すべてのステークホルダーにその企業が作り出した付加価値が分配されることで「持続可能な価値の創造」と定義されるのです。

なぜ今ゴルフ場に経営学が必要か?

日本のゴルフ場のほとんどはバブル期以前に建築されていますから、その多くが設備の耐用年数を超過しており、大規模な改修や修繕が必要なタイミングを迎えています。

それらの資金の調達や将来キャッシュフローの計算と言った財務会計の課題だけではなく、そうした設備投資を老朽設備の現状復帰にとどまらせず、売り上げの増加に繋がるような効果的な投資にするためには、成長戦略や、それに伴う組織改革など、まさにヒト、モノ、カネの総合的な変革が必要になります。

本コラムの方針

これらの背景を踏まえて、本コラムでは以下の内容を意識しながら書いていきたいと思っています。

① ゴルフ場経営に特化する

月刊ゴルフマネジメントはゴルフ場経営者や支配人だけではなく、その取引先のメーカーの方なども読者でありますが、業界や業態を広く定義してしまうと、その確信性が弱まってしまうことを懸念して、ゴルフ場経営に特化した内容を意識します。

② 経営の原理原則を学ぶ

冒頭で書いたように、経営学というのは学問であり科学です。科学とは元来、原理や法則を導き出すものですから、どのようなゴルフ場にも当てはまるという内容を書いていきたいと思っています。当然どんなゴルフ場にも当てはまる「施策」というのはありませんから、ここで私が提供するのは「理論」や「考え方」であり、それを応用・実践するための手引きになればと思います。

③ ケーススタディで学ぶ

日本でもビジネスとして成功しているゴルフ場は多くありますし、世界に目を向ければさらに多くのゴルフ場がその優れた戦略や施策によって成功をおさめている事例が多く存在しています。そうした事例も積極的に紹介できればと思っています。

④ 志を学ぶ

最後にこのコラムで最も重きをおきたいのは「志」です。志とは意思・信念・目的などを指す言葉ですが、特にゴルフ業界においては収益性が決して高いとは言えない事業であり、その事業を前に進めるためには覚悟が必要になる場面が多く出てきます。

経営には「ビジョン」や「パーパス」といった綺麗で耳障りのいい言葉がたくさん出てきますが、こうした言葉も口先だけでは「仏作って魂入れず」となってしまいます。自分の心や魂に問いをたてることで、志の醸成を目指していきます。

連載の開始に際して

私はこれまでコンサルタントやプロジェクトマネージャーという立場で、ゴルフ場の外からゴルフ場の変革に携わってきました。

その経験から言えることは、経営学は課題を解決するための強力なツールである一方で、やはり最後はオーナーや支配人の判断、そして組織がその判断に合意して一丸となって行動した際に初めて成果がでるということも事実です。この連載が少しでも皆様のお役に立てることを願って次回から実践的な経営知を一緒に学んでいきましょう。

この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、ゴルフ場のオーナー代理人、ゴルフコース改修プロジェクトマネージャー、人材育成のためのコーチング、セミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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