今回はコーチングをテーマに動画を撮ってみました。
文章を読むよりも動画をご覧になっていただいた方が早いと思うので、動画でご覧ください。
私の自己紹介
・15歳で単身オーストラリアへゴルフ留学
・20歳でゴルフコーチになる
・25歳でゴルフレッスン会社を設立し、これまで50名以上のゴルフコーチを育成
・34歳でMBA(経営学修士課程)修了
→ゴルフコーチや企業の管理職向けに「指導者育成」のセミナーなどをやっています。
なぜコーチングを公開しようと思ったか
日本には最盛期で1200万人、いまはだいぶ減って700万人くらいのゴルファーがいると言われていますが、この中でゴルフレッスンを受講する人というのはわずか15%程度と言われています。
要するに85%の人はゴルフを始める段階で、家族、恋人、上司、先輩などいわゆるアマチュア指導者にゴルフを習うことをきっかけにゴルフをスタートします。
ご存知のようにゴルフは難しいスポーツなので、その楽しさを実感できずにやめてしまう人が多いことを考えると、良いアマチュア指導者を増やすということが、ゴルフ産業にとって良いいい影響を与えると思ったからです。
またアマチュアゴルファーの方の中には社会人とりわけ管理職や経営者の方が多いです。
ゴルフコーチングで使ういわゆる「コーチング」は人材育成にも使える知識やテクニックなので、ゴルファーを育てていくことと同時に、皆さんの日常生活やビジネスの場面でもお役に立てるのではないかと思ったからです。
アドバイスの内容よりも大切なこと
今回は最初の動画ということで、コーチングで一番大切なことからお伝えしていこうと思います。
ゴルフでもビジネスでも「教える」という行為において、最も大切なことは「相手を理解する」ということです。
相手のことを知ることが上手はコーチは良いコーチですし、相手のことを知ることが苦手な人で良いコーチはいません。
教え下手な人の特徴
いわゆる「教え魔」と言われる人がいますが、教え魔という言葉はだいたい悪い意味で使われます。
なぜならその人は、教えるのが好きな人であり、教えるのが得意な人ではないからです。
動画の中でも話していますが、教え魔というのは、知識が豊富で必ずしも間違ったことを言っているわけでもないのです。
しかし良いアドバイス、深い知識を与えているにも関わらず、なぜか相手にはそれが伝わらない。
その理由は「相手のことを理解する」というプロセスを飛ばしているからです。
いくら良いアドバイスでも相手のことを理解したという態度を示さなければ、そのアドバイスの価値は失われるのです。
人が行動するメカニズム
私たちは上達の過程で必ず「練習」という反復の行動が必要になります。
それはゴルフはもちろん、英語や楽器であっても同じで、どんなに一流のコーチにアドバイスされても、それを反復して練習しない限り上達することはありません。
ですからコーチングとは「良いアドバイスをすること」よりも「相手を行動させること」に重きが置かれます。
そして、人間は「動機」によって行動を起こしています。
動機についてはまた違う回でお話ししたいと思いますが、ここでは「行動する理由」という定義をしておきます。
ゴルフで言えば、この練習をすれば飛距離が伸びる、この練習をすれば100が切れるという具合に、その練習をするとどんなベネフィットが得られるのかが分かれば、その人は練習をするでしょう。これはビジネスでも同じです。
当たり前ですが、何も目的なく練習する人などいないのです。
逆に言えば、練習さえすればアドバイスの内容がデタラメでも上達するケースはあります。
なぜなら人間には感性があるので、例えばゴルフであれば、良い当たりと悪い当たりの判別さえできれば、あとは良い当たりが増えるように練習する量を増やすだけで誰でも上達できるのです。
コーチの仕事は知識を与えることではなくモチベーションを与えること
そういう意味で、コーチの仕事というのは知識を与えるのではなく、モチベーションを与える仕事と定義することができます。
そして、相手が何を望んでいるのか、どんな問題を解決したいのか、どんな性格なのかを把握して、適切な動機を与えるというのがコーチの役割と言えるのです。
ですから、コーチングというのは観察と質問によって相手をよく知ることが重要なのです。
もし皆さんがゴルフを教えたり、あるいはビジネスの現場で部下の育成をしている中で、その人が自分のアドバイスを聞いてくれないという状態は、相手が自分を理解してくれていないと思っているということです。
コーチに求められる技術
では実際に私たちコーチはどんなテクニックを使っているのでしょうか。
観察の技術
まず観察の技術ですが、今回は”フリ”でも良いので見ているという態度をとることの重要性をお話ししています。
たとえ相手が家族や恋人、10年来の親友であり、相手のことをどんなによく知っていたとしても、あなたがコーチとして指導する立場にある場合は、かならず観察の時間をつくります。
コーチであるあなたは「自分はあなたのことを理解することに努めている」という態度をとることが重要です。
このステップなしにアドバイスをしても、その効果は低下してしまいます。
上にも書きましたが、コーチングのゴールというのは相手が行動し結果を出すということです。
行動を促すためにも、相手のことを理解したというサインを送ることが重要になります。
アドバイスの内容よりも「行動を促す」という目的を達成するためにかならず観察を入れてください。
きく技術
動画の中でも「訊く、聞く、聴く」という話をしていますが、「質問する」「最後まで聞く」「相手の気持ちを理解した返答をする」というのもコーチのテクニックです。
大切なことは、あなたが自分の気持ちを述べる必要なく、あくまでもコーチとしての態度に徹するということです。
これについても違う記事でまた書きたいと思います。
コーチの仕事は結果を出すこと
コーチングというと「教える」と思う方が多いのですが、動画でも話している通り、コーチングは相手(クライアント)に結果につながる行動を促す手法であり、テクニックです。
テクニックですから、コーチにも訓練が必要ですし、そのメソッドがあります。
そして良い指導者を目指すのであれば、その指導者としての行動や態度をしっかりと取る必要があります。
今回はその中でも特に重要な「観察と質問」を通じて「相手を理解する」ということについてお話ししました。