MENU

コース管理は職人芸からデータドリブンへ ―GCSAA Golf Industry Showに見る、世界のゴルフ場マネジメント最前線ー

本投稿はゴルフ界の総合経営誌『月刊ゴルフマネジメント』の2026年4月号の特集記事として掲載された記事を、スペースの関係で掲載しきれなかった文章や写真を加えて掲載しています。

月刊ゴルフマネジメントに掲載された記事一覧は下記のリンクからご覧いただけます。

takashioya.com
monthly-golfmanagement | takashioya.com タグ「monthly-golfmanagement」の一覧ページです。
目次

世界最大級のゴルフ場管理イベント、GCSAA Conference and Trade Showとは?

GCSAA Conference and Trade Show会場の様子

米国フロリダ州オーランドで開催される GCSAA Conference and Trade Show(以下、GCTS) は、ゴルフ場管理および運営に特化した世界最大級の業界イベントです。芝草、管理機械、灌水設備、肥料・薬剤といった従来の展示分野に加え、近年はデータ管理、環境対応、人材育成、組織マネジメントといった経営的要素まで網羅する構成となっています。

注目すべき点は、GCTSが単なる製品展示会ではなく、ゴルフ場を一つの事業体としてどのように運営すべきかを共有する場へと進化していることです。展示会に先立って実施されるエデュケーション・セミナーや、資格制度と連動した教育プログラムは、その方向性を明確に示しており、GCTSは展示会や年次イベントという枠を超え、中長期的なゴルフ場経営の方向性を示す場として位置づけられています。

GCSAA(全米ゴルフ場管理者協会)の創立100周年の記念すべき会となった今年の来場者数は4年連続で増加し、公式発表によると総来場者数は12,824名(2025年比15%増)となりました。

会場となったオレンジカウンティ・コンベンションセンターの展示会場には523社が出展(2025年は464社)、展示面積は178,600平方フィートで、前年から16%増加しており、アメリカゴルフ産業の成長を表しています。

会場近くのアイコンパークもGCSSAのパーティ会場として使用された

今回は私が実際に訪問したGCTSの様子をご紹介しながら、日本のゴルフ場、あるいはゴルフ産業団体が参考にすべきケーススタディを解説していきます。

GCSAA=全米ゴルフ場管理者協会(GCSAA)は、米国を代表するゴルフ団体の一つであり、1926年の設立以来、ゴルフコース管理に携わる専門職のための主要な職能団体。本部はカンザス州ローレンスにあり、78か国以上21,000名の会員に教育、情報、代表機能を提供しています。

省人化を前提としたコース運営

TORO社の日本・韓国代表のブライアン・エムチ氏

今回のGCTSにおいて顕著であったのは、人材不足を前提条件とした運営設計です。

この件についてゴルフ場の総合管理機器メーカーであるTORO社で日本と韓国の代表を務めるブライアン・エムチに話を聞いたところ、米国でも近年のインフレと移民政策の影響で、日本に10年程度遅れて人手不足の課題が顕在化してきており、日本では普及しはじめている無人フェアウェイモアがいよいよ米国でも販売されるそうです。

国産メーカーのバロネス社の無人機には人だかりが

人手不足はゴルフ産業固有の課題ではなく、日本のすべての企業においても既に顕在化している構造的問題ですが、展示されていた機械や管理システムの多くは、高性能化や多機能化を競うものではなく、作業工程の削減、業務プロセスの簡素化、特定個人への依存度の低減、といった観点から設計されているのが印象的でした。

日本との違いは、「技術導入によって一部の特定業務を機械化することで人手不足を解消する」という発想ではなく、人員が限られていることを前提に、テクノロジーによって業務全体を再設計するという思想が一貫している点です。

例を挙げると、日本では業務プロセスは変えず、無人機に代表されるように今実施されている業務を機械に置き換えるという発想になりがちですが、米国では、まず最もコストに影響を与える業務から機械化して、それを軸に業務プロセスや組織を再設計するという考え方です。これはもう少し分かりやすく言うと、日本では人手不足から無人芝刈機への投資が盛んに検討されていますが、実は米国ではGPSスプレイヤーの方が人気の投資となっています。これは無人芝刈機が人的労働の代替であるというのに対して、スプレイヤーは資材費が15-25%削減できることに加えて労務費の削減効果から、無人芝刈機よりも投資対効果が高いというのが理由だそうです。その結果圧縮できたコストをバッファーとして無人機を購入するという具合です。

USB接続によって人の技術を機械がデータとして継承できるため、作業の属人化問題も解消できる

環境対応はコスト削減

フェアウェイのモアに取り付けられたturfradのセンサー

環境配慮やサステナビリティは、日本のゴルフ業界においても重要なテーマとなっている。一方で、現場では「コスト増につながる施策」として捉えられるケースも少なくないのが現実ではないでしょうか。しかしGISで示されていた環境対応の位置づけは明確で、環境対応は理念ではなく、経営合理性を高めるための手段として扱われている点です。

水使用量の削減、施肥・施薬の最適化、土壌管理の高度化は、環境負荷の低減と同時に、資材費や、それらを実施するための労務費の削減に直結する施策として設計に組み込まれています。
これらは「社会に評価されるための環境配慮」いわゆるCSR(企業の社会的責任)でははなく、事業収益を安定させるために不可欠な取り組みとして実装されている点が特徴的で、中でも特に芝の病気や枯れの原因となる散水管理のテクノジーが際立って目立ちました。

Turf Radの仕組みを説明する同社オペレーションマネージャーのFabian Kolodziej氏

実際に今回取材した土壌水分の高分解能マッピング技術を開発するスイスのテック企業Terra Rad社のFabian Kolodziej氏によると、同社ではROIインジケーターを使って、効率的な散水管理がどの程度コスト削減になり、投資効果を可視化してユーザーの意思決定を促進しているそうです。

同社のサービスでは独自のセンサーを使って、これまで目視や点測りで行っていた土壌水分量を自動でマッピングすることで、散水制御システムと連携した自動補正により散水量を最大で20-30%削減しており、これに高温時の水不足解消はもとより、過剰散水による病害の発生、泥濘によるプレーアビリティの低下などのメリットを提供しています。

土壌水分をマッピングすることで、これまで職人芸だった散水技術の自動化だけではなく、排水工事計画にも活用できる

最も多く聞かれるユーザーによる成果は、TurfRadの導入により“データに基づく水管理” が可能となり、これまでのキーパーの経験と勘に頼っていた散水マネジメントから脱却し、結果として属人性が低下したということだそうです。

こうした環境施策はコスト削減としてP/Lにどのような影響を与えるのかを、数値とデータで説明する姿勢は、日本のゴルフ場経営においても今後不可欠と言えるかもしれません。

私が感じたことは、環境意識の高まりという社会のナラティブが、環境対応という大義名分を謳うことで実施の障壁が低下し、それによって発生する一時的な変化のストレスさえも受容される世の中になっているということです。こうした社会的潮流を背景に、企業はその追い風を活かしながら、コスト削減が可能になっているという事実が興味深かったです。

感覚からデータへ

GIS全体を通じて強く印象づけられたのは、前述した通りにゴルフ場管理におけるデータ活用の高度化です。特に日本のゴルフ場管理は、キーパーの経験や勘といった暗黙知に依存する側面が強いですが、それにより次世代人材の育成のハードルが上がり、日本のゴルフ場を苦しめています。

一方で、先ほどのTurfRad、GPSスプレイヤー、無人芝刈り機の事例のように、現在ではかつて職人芸だった作業や判断も急速に機械化・データ化されつつあります。こうした土壌水分、作業時間、人件費、投入資材量、品質評価などのデータを蓄積・分析し、次の経営判断や意思決定に反映させるというプロセスは、ゴルフ場管理を「再現性のある経営行為」へと転換させる重要な要素です。

世界中で多くのゴルフ場で採用されている散水機器メーカーのRainbird社でも、土壌水分計のデータをグリーン上にマッピングして、独立したスプリンクラーから散水量を自動調整する機能がリリースされます。これはグリーンキーパーが夏場の早朝に「水を撒く」という仕事が、夕方に「データを測る」という仕事へ変わることを意味しています。

TORO社のGeoLinkソリューションを搭載した自律型機械のラインナップが増加している
Rainbird社のマーケティング担当Hannah Jerdonek氏

その結果、スーパインテンデントに求められる役割も変化しており、誰よりもうまく作業ができる人 = グリーンキーパーから、ファクト(事実)とデータ(数値)をもとに判断するマネージャーとしての能力が、より強く求められているようです。

「エデュケーション・セミナー」の本質

アーノルド・パーマーズ・ベイ・ヒル・クラブ & ロッジで開催されたTORO社のセミナーの様子

GCTSの価値を理解するうえで欠かせないのが、展示会に先立って開催されるエデュケーション・セミナーです。これらのプログラムは、単なる知識提供ではなく、意思決定の質を高めるための教育として設計されており、さながらMBAプログラムのようです。

リリースによると今年のセミナー参加席数は8,074席が埋まり、2008年に記録された過去最高を更新。スーパインテンダント向け教育に加え、アシスタントスーパインテンダントや機械管理責任者向けの専門教育プログラムも実施されたとのことです。

芝草管理や病害防除といった専門技術に加え、リーダーシップ、人材育成、予算管理、組織運営など、経営に直結するテーマが体系的に用意されている点が特徴で、ここで提供されているのは作業の技術情報ではなく、これまで述べてきた通り、コース管理を担う管理者としてのデータ解析能力や思考力です。

私が参加したベイヒルクラブアンドロッジで開催されたセミナーには大型バス3台分の参加者が参加し、各グループに分かれて約半日にわたって、米国のトーナメントコースの管理手法、トーナメント準備、管理棟や重機の機能的な設備が紹介され、全米から集まった多くのグリーンキーパーが熱心に質問をしている様子が印象的でした。

またこのほかにも様々なセミナーが開催されており、「Sustainable by Design: Smarter Plants, Healthier Courses(持続可能な設計:より実用的な植物、より健康的なコース)」「Strong Teams Built on Daily Maintenance(日々のメンテナンスで構築された強力なチーム)」「The USGA and R&As approach to Championship Agronomy(USGAとR&Aのトーナメントコースの農学アプローチ)」「Data-Driven Turf Management: Actionable Information From Remote Sensing(データ駆動型芝生管理:リモートセンシングから得られる実用的な情報)」「Data Collection and the Golf Experience(データ収集とゴルフ体験)」など、芝管理への知識習得にとどまらず、データの活用方法、マーケティング、組織とリーダーシップに関するグリーンキーパーの育成のためのプログラムが開催されていました。

ちなみにこちらのプログラムは米国協会の会員であれば1500ドルですべての講座へフリーアクセスでき、非会員でも1講座100-200ドル程度の受講料を支払えば参加することができます。昨今の円安を考えると決して安いとは言えない金額ですが、知識習得だけではなく、全米のスーパーインテンダント、メーカーや設計者ら専門家とのネットワーキングを考えると、効果的な投資とも考えられます。

セミナーの間のランチブレイクはゴルフ場間の情報共有の場になっていた

米国のスーパーインテンデントが学び続けられる仕組み

セミナー会場への移動中にインタビューに答えてくれたオハイオ州のゴルフ場でスーパーインテンダントを務めるChad Yotter氏

また米国において、このようにスーパインテンデントが継続的に学習することは、個人のやる気に委ねられた行為ではなく、専門職としての責務として制度化されている点が、日本と圧倒的に違うと感じました。その背景には、GCSAAが構築してきた継続教育制度、資格制度、教育履歴の可視化、といった仕組みがあり、セミナー受講や教育プログラム修了は、専門性を示す客観的指標として評価され、キャリア形成に直結しているそうです。

何人かのスーパーインテンダントにインタビューしたところ、GCSAAやUSGAの資格を持つことで給料が上がったり、あるいはそのコースで資格による昇給制度がない場合でも、他コースへの転職の際に能力の証明となり有利になるとのことでした。

こうした人材育成が産業として仕組み化されている点も、日本が見習うべき点であると感じました。話は少し脱線しますが、以前にベトナムのダナンで視察したコースのスーパーインテンダントはオンラインでGCSAAやUSGAの資格を取得したと言っていましたから、こうしたプログラムはやる気さえあれば、世界中どこからでもアクセスできるようです。

教育と資格がキャリアを形づくる──GCSAAとUSGAの役割

GCSAAは、教育と資格を通じて「ゴルフ場管理者」を専門職として位置づけてきた歴史があります。最上位資格であるCGCSに象徴されるように、実務経験、教育履歴、知識評価、継続学習が体系的に結びついており、日本のように高い技術をもつ技術者がリーダーとして評価されるのではなく、総合的かつ網羅的に知識をもった人材を育成することを目的としています。

この教育体系の質を支えているのが、USGAや全米の大学などの研究・統計機関との連携で、こうした機関で研究された科学的知見がGCSAAの教育内容に反映され、その教育が現場運営を高度化するというグッドサイクルが循環しています。この循環が、ゴルフ先進国米国のゴルフ場経営の競争力を支えています。

日本のゴルフ場経営に求められる視点の転換

日本のゴルフ場経営は、建設ブームの高度成長期から約40年が経過しようとしていますが、この長年にわたり現場社員の努力や属人的な対応に支えられてきたと言っても過言ではありません。

実際に日本のグリーンキーパーの多くは、米国と違い大学の農学部や外部機関の専門教育を受けた経験がない場合がほとんどで、多くの場合は先輩社員からの引き継ぎと、商品の優位性を伝えるための宣伝を兼ねた仕入先やメーカー代理店による偏った知識インプットに依存しています。

結果的に投資や仕事の客観的評価、業務の形式化が失われ、経験と勘と関係性に頼った運営手法がマジョリティーになっている状況です。

しかし日本は人口減少、人材不足、コスト上昇、環境制約といった構造的課題の下、そのモデルは限界を迎えつつあり、これまでの職人芸とも言える管理手法は限界を迎えています。

今回感じたことは、GCTSが示しているのは、キーパー達の職人芸を否定することではなく、職人芸を組織的な経営芸へと転換するという仕組みです。

職人芸という技術を仕組みやデータに落とし込み、最新のテクノロジーを使いながら判断や作業を標準化し、教育を経営資源として位置づける。その先にあるのは、特定の個人に依存しない、持続可能なゴルフ場経営と言えるのではないでしょうか。

全米のゴルフ場設計に広がるインテグレーション(統合)の考え方

米国ゴルフ設計者協会のCynthia Dye McGarey氏と筆者
ヨーロッパゴルフ設計者協会のKari Haug氏と筆者

GCTSにはコース管理に関わる資源だけではなく、世界中から設計者も多く参加していました。今回は世界的にも珍しい女性設計者の2名にお話を聞くことができました。

一人はヨーロッパ設計者協会で活躍するKari Haug(キャリ・ホーグ)で、女性設計者ならではの視点で女性ゴルファーやシニア、高ハンディキャップの一般アマチュアにも 楽しさと達成感 のあるコースを設計することを重視しています。

Pirkkala Golf Course(フィンランド)、Crosswoods Golf Course(ミネソタ州・米国)などでは、フォワードティーの増設や、歩きやすさ、プレーのしやすさを考慮した設計で話題になりました。

彼女によると近年では、ゴルフ場内にカートパスを利用したウォークトレイルなどノン・ゴルファー向けの施設を作る取り組みが注目されており、ゴルファーのためのゴルフ場から、コミュニティのためのゴルフ場へと、インテグレーション(統合)される動きがみられるとのことです。実際に筆者も今回の旅の中で米国で数コースをプレーしましたが、幾つかのゴルフ場で実際にコース内のウォークトレイルを見ることができました。「ノン・ゴルファーにもゴルフ場を身近に感じてもらうことで、ゴルフ場を社会からアイソレーション(隔離)するのではなく、ゴルフ場がコミュニティーをインクルージョン(包摂)していくという考え方が重要です。」と話してくれました。

Kari Haug(キャリ・ホーグ)氏の言う通り、サンフランシスコで訪問したハーフムーンベイゴルフリンクスでは人々がゴルフ場の中を散歩する姿を見ることができた

もう一人の女性設計者Cynthia Dye McGarey(シンシア・ダイ・マクガリー)は、ゴルフコース設計の名門「ピート・ダイ(Pete Dye)」ファミリーの第3世代として世界で活躍する女性設計者です。

実はダイデザインは世界で250以上のゴルフ場を設計していますが、彼の全盛期が日本のゴルフ場建設バブルと重なっていたこともあり、日本には20以上のダイ設計のコースがあります。私が「日本ではピート・ダイ設計のコースはとても難易度が高く、管理もしにくい攻撃的なコースが多いけれど、あなたもその思想を受け継いでいるのか?」と質問したところ、「実は私たちが現在行っているプロジェクトのほとんどは、そうした過去の過剰なコースの改修で、現代の経営やプレーのニーズに合わせた提案をしている。ファミリーが過去に造った”難しすぎる”ゴルフ場は、プレーペースや管理費用の観点からも見直しが必要と感じている」と話していました。

ダイデザイン社による改修工事の様子-写真左から3番目がシンシア氏

実際に直近では、韓国ソウルのウージョンヒルズカントリークラブ(ダイデザイン)では開場から30年が経過したコースを近代的なコースに蘇らせ、その直後にWPワールドジェネシスチャンピオンシップの会場にも選定されています。

「ゴルフ場設計にはその時代の流行や要望が取り入れられています。30年前に中年男性中心だったゴルフ場も、その男性達が高齢化してシニアになり、女性やジュニアも利用する今の時代には少し行きすぎた印象や、合っていないデザインが多いのも事実です。現代のゴルフ場経営や利用者のニーズに沿ったコースへの改修には投資以上の価値があると考えています。」と話してくれました。

ダイデザイン社によって改修されたコースは従来の激しいデザインから、幅広いゴルファーが楽しめるデザインへと変貌を遂げた

GCSAAカンファレンス&トレードショーを振り返って

各社出展ブースでは商談や打ち合わせが活発に行われていた

今回のGCSAAカンファレンス&トレードショーを通じて強く感じたのは、米国のゴルフ場マネジメントが「優れた技術」そのものを競う段階から、「優れた経営モデル」を構築する段階へと進んでいるという事実です。省人化を前提とした業務再設計、環境対応をコスト削減と結びつける発想、経験と勘をデータと数値へと置き換えるマネジメント、そして教育と資格によって専門職としてのキャリアを制度化する仕組み。これらは個別の取り組みではなく、相互に連動した一つの仕組み(システム)として機能しています。

また設計分野においても、プレーヤー層の多様化やコミュニティとの統合、さらには既存コースの再評価と改修といった動きが進み、コースそのものも「経営資源」として再定義されつつあります。ゴルフ場はゴルファーだけの空間ではなく、地域社会の中で持続的に価値を創出するインフラとして位置づけ直されているのです。

日本のゴルフ場が直面する人口減少、人材不足、コスト上昇、環境制約という構造的課題は、決して特殊なものではありません。むしろ、米国が先行して経験している課題でもあります。だからこそGCTSは、単なる海外イベントではなく、日本のゴルフ場経営がこれから向き合う未来を映す鏡と言えるでしょう。

現場の職人芸を否定する必要はありません。しかし、その技術や経験を属人的なものに留めるのではなく、データと仕組みに落とし込み、教育と組織によって再現性ある経営へと昇華させること。それがテクノロジーを使った「職人芸から経営芸へ」という転換の本質ではないでしょうか。

ゴルフ場は、美しい景観やプレーの楽しさを提供する場所であると同時に、一つの事業体です。GCTSが示したのは、技術・環境・人材・設計を統合しながら、持続可能な経営へと進化する産業の姿でした。本稿が、日本のゴルフ場経営における次の一手を考える契機となれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、ゴルフ場のオーナー代理人、ゴルフコース改修プロジェクトマネージャー、人材育成のためのコーチング、セミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

目次