月刊カジュアルゴルフ6月号に掲載されたコラムです。
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ゴルフの上達のためには自分に合った練習の難易度やクラブのスペックを選ぶ必要がありますが、私たちはプロがこの練習をやっているからとか、プロが使っているから、という理由でそのスイング理論や練習方法、クラブなどを真似ることで上達しようと思うことがあります。
もちろん、そこには憧れなどもあるのですが、なぜ私たちは本来必要な基礎的な練習ではなく、上級者やプロがやっているスイングに取り組んでしまうのでしょうか?
それは「人は自分の能力を正確に評価することができない」ことが原因といわれています。「ダニング=クルーガー効果」は人は自分の能力を過大評価してしまうことを言いますが、実験によるとソフトウェア企業では企業Aは32%のエンジニアが自分たちの能力を「トップ5%」、企業Bでは42%のエンジニアが自分自身を「トップ5%」だと評価し、車の運転手の88%は「自分は平均以上の運転能力を持っている」と評価しているという結果も示されています。
これと同じように、ゴルフがまだ未熟な初級者ほど、難しい理論に挑戦してしまって本来必要な基礎練習が十分にできなかったり、オーバースペックのクラブを使ってしまい、本来必要な練習やクラブのスペックが選べなくなると考えれます。ここから私たちが学ぶべきことは、難しい理論やクラブを選ぶことではなく、上達するということは「知らない(出来ない)ことを知る」ということなのかもしれませんね。