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ゴルフカートとオペレーションの重要な関係

私達にも身近で馴染み深いゴルフカートですが、ゴルフカートマーケットの市場規模は2020年時点で18億2300万米ドルで、年次成長率は4.4%-5.0%と予測されており、2027年には24億6700万米ドルに達すると言われています。

安定的にマーケットが成長する理由として、新興国を中心にゴルフ場の開発が増えていること、また高齢者の増加に伴う移動手段としてのロースピードモビリティ(低速移動手段)の需要が伸びていくことが根拠とされています。

市場の活況に伴い、最新技術を搭載したゴルフカートが今度は登場していくと見られており、これにより日本のゴルフ場オペレーションの問題(特にキャディ不足問題、高齢化によるフェアウェイ乗り入れの需要増加、プレーペースの問題)を解決するツールとしても期待されています。

この記事ではゴルフカートの世界トレンドや基本情報を抑えるとともに、カートの乗り入れや乗用カートの導入を検討しているゴルフ場へのアイディアになればと思っています。

目次

ゴルフカートの用途

ゴルフカートはゴルフ場での利用はもちろん事、空港や公園など施設での利用、さらに個人で所有するニーズなど様々ですが、市場に流通するゴルフカートのほとんどが主に北米のゴルフ場で使われています。

米国では、約15,000のゴルフ場施設があり、2,400万人のゴルファーが、年間で約4億5,000万ラウンドのプレーが行われています。カナダも世界第2位のゴルフ場数約2400コースですから、ゴルフカートマーケットの中心地は北米というのもうなずけます。

ゴルフカートの種類

一般的にはエネルギーは「ガソリン(約20%)」「バッテリー(約70%)」「太陽光(約10%)」の3種類に分類されますが。今後はサスティナブルエナジーである太陽光などの循環エネルギーへのトランジットが予想されています。

ゴルフカートのコスト

ゴルフカートの価格は2人乗りの電気式カートを新車で購入した場合、1台100万円〜150万円前後の価格帯が最も多く、中には600万円を超える高級車まで様々です。
一般的には5-6年で買い換えるゴルフ場が多く、仮に150万円のゴルフカートを年間200ラウンドで6年間使用した場合の1ラウンドあたりのコストは1,250円ということになります(このためアメリカの中級ゴルフ場ではゴルフカートフィーを18ホールで30ドル程度に設定しているコースが多い)。

バッテリーは国より異なりますが、一般的な1.2kw/hで5-6時間程度で充電できコストは50円〜200円程度と予想されます。

ゴルフカートの技術革新

ゴルフカートに求められる技術革新として
・軽量化(芝生への負担の減少)
・プレーの補助(自動追尾など)
・機能性(GPS/IOTを使ったオペレーション支援)
・デザイン
などが注目を集めています。

軽量化

芝への負担を軽減するためにカートの重量は大きな注目ポイントです。こちらは自動車とも同じで軽くするにはバッテリーを小型化する必要があるため、走行性能へ影響を及ぼします。
現在のベンチマークは500パウンズ(226.8kg)〜700パウンズ(317.52kg)です。

プレーの補助

プレー支援のカートとしてはこうした追尾型のキャディバッグ運搬カートもあります。

機能性

カートに搭載したGPSやセンサーをインターネットに繋ぐことでカート進入禁止エリアへの進入を自動制御したり、スピードをコントロールしたり、プレーヤーにテキストメッセージを送ったり、フード&ドリンクのオーダー、テレビの視聴、音楽の再生などのエンタメ機能まで様々です。

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デザイン

マーケットのシェアでは「Club Car」「E-Z-Go」「Yamaha」が大きなシェアを持っていますが、ラグジュアリーセグメントでは「Polaris」や「Garia」なども注目を集めています。

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ゴルフカートに関する考察

ゴルフ場におけるゴルフカートはプレイヤーとの重要なタッチポイント(情報接点)として、顧客満足度に影響を与える重要なツールです。

一方で日本のゴルフ場は丘陵地帯や山岳地帯に開発されているために、安全性や芝生への影響を考慮して決して快適とは言えない電磁誘導カートの採用を余儀なくされています。

しかしプレーヤーが高齢化してくれば、できるだけボールの近くまでいける乗り入れカートの需要の高まりは必然と言えますし、多様なニーズに応えるための機能を搭載したパーソナルツールとしてのカートは必須とも言えます。

今回紹介したように、すでに日本の芝生や傾斜にも対応できるレベルの軽量化や、進入禁止エリアや危険エリアを感知して自動制御できるシステムなどは実装されていますから、おそらく日本のほとんどのゴルフ場で2シーターの乗り入れゴルフカートが利用される日も近いのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、ゴルフ場のオーナー代理人、ゴルフコース改修プロジェクトマネージャー、人材育成のためのコーチング、セミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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