ゴルフをプレーしていると、様々な形のグリーンに出くわすことがあります。
まんじゅうの様にまん丸なものから、縦長や横長の楕円の形、さらに三角形っぽいものや、アメーバのような形のものまで様々です。
これらのグリーンの形はいくつかの種類に分けられており、代表的な形はテンプレート(雛形)として多くのコースで使われています。
残念ながら日本ではあまりこうした特徴的なグリーン形状を見ることは少ないですが、グリーンの形によってグリーンへのアタックの仕方や、戦略に大きく左右しますから、これらのテンプレートを知っておくことはプレイヤーとしての技術向上はもちろん、コースのランドスケープへの理解を向上させます。
プレーしていて、このホールは楽しいと感じたり、このセカンドからの景色は美しいと感じるのは、デザインという必然の要素が加わっているからにほかなりません。
良いコースデザインが分かると、ゴルフの楽しみ方も変わると思います。
Redan -レダン-
グリーンがティーイングエリアやフェアウェイから斜めに長く伸びたレイアウトで、代表的なグリーンテンプレートの一つと言われるのがレダンです。このレダングリーンはプレイヤーに距離と方向性の両方を要求するので、ホールロケーションによっ難易度を調整することが可能です。
スコットランドのNorth Berwick Golf Clubに最初に造られたと言われるレダングリーンはPar.3の理想的な形状と言われていましが、アメリカゴルフ界の父と呼ばれるチャールズ・B・マクドナルドが1911年にNational Golf Links of AmericaにPar.4にもレダンを採用し、米国に伝えたリンクスの最も理想的なホールと呼ばれています。
Punchbowl -パンチボウル-
グリーンエッジを隆起させ、グリーンの中にすり鉢のような窪みを付けた形状をパンチボウルと言います。
代表的なパンチボールデザインは設計家のSeth Jagger Raynor(セス・ジャガー・レイノア)が作ったFishers Island Clubの18番ホールで、最も美しく爽快なPar.4の一つと言われています。
プレイヤーはショットを打った後に息を飲んでボールが止まるのを見守るスリリングなグリーンです。
Switchback -スイッチバック-
アメリカ人設計家で最も有名なDonald Ross(ドナルド・ロス)が多用したグリーン形状で、Par.4やPar.5でティーショットで有利な球筋に対して、グリーンアタックに有利な球筋を逆にする(ティーショットではドローボールが有利なホールで、グリーンを左に傾けると2打目はフェードボールが有利になる)ことでプレイヤーのショットメイキングアビリティを試すグリーン形状をスイッチバックと言います。
ドナルド・ロスの傑作と呼ばれるPinehurst No.2の16番ホールが代表的で、ティーショットは左のウェストエリアを避けるフェードボールが要求されますが、左後方から右前方へ傾斜しているグリーンへの2打目はドローボールを打たないと止まらない形状になっています。
Road -ロード-
湾曲した縦長のグリーンの両サイドにハザードを加えたグリーン形状はロード(道)と呼ばれます。
代表的なロードデザインのホールはSt.Andrews Old Courseの17番ホールで、フェアウェイから見ると縦に伸びるグリーンは左にカーブして、右がOBで左がポットバンカーというレイアウトです。
この形状のグリーンはグリーンにアタックできる向きが限られるため、ティーショットの難易度を飛躍的に高めます。
Volcano -ボルケーノ-
ボルケーノはその名の通り火山のように見えるグリーンの形状で、少なくとも3つの高い面が存在し、中央に最も高い面を配置したグリーンデザインテンプレートです。
こちらもドナルド・ロスが愛したグリーン形状として有名で、彼が設計したフィラデルフィアのセミプライベートコースLuLu.CCや、The Country club of Buffalo、Pinehurst No.2などに見られます。