以前に「基本に勝るものなし。本当のゴルフ上達法は地味な基礎練習を繰り返すことです。」という記事を書きましたが、じゃ「ゴルフの基本って何?」ということを書いてみたいと思います。
ゴルフスイングの基本は「円運動」と「最下点のコントロール」の2つだけ
最初に結論から書きますが、ゴルフスイングの基本は「円運動」と「最下点のコントロール」の2つだけです。
ゴルフスイングに迷ったらこの2つだけに集中すればいいですし、もし初心者の方であれば、この2つを意識して優先的に身につければ良いです。
すごく極端に言えば、スイングの形はどうあれ「円運動」と「最下点」の2つだけで誰でも上達できますし、世界中のプロゴルファーを見渡してみてこの2つが出来ていない人を見たことがありません。
なぜ「円運動」と「最下点」の2つが基本なのか?
では、なぜゴルフの基本は「円運動」と「最下点」の2つだけなのか?ということについて理由を書いていきたいと思います。
ゴルフと円運動の関係
まずは基本の一つである円運動から解説します。
ゴルフスイングという運動はターゲットを体の正面に置くフェースオンではなく、体の側面にターゲットを置くサイドオンのスポーツです。
フェースオンのスポーツ(例えばボーリングとか、バスケットのフリースローなど)では体はターゲットに対して縦方向の動きをします。
一方で、サイドオンのスポーツ(例えば野球のバッティングやピッチング、ホッケーもそうです)では、ターゲットが体の側面にあるので、体は回転の動きを伴います。
ゴルフの場合だと、右打ちの人はターゲットが体の左側にありますから、ボールに向けた体をターゲット方向に回転させることでボールをターゲットに打ち出すことができます。そしてこの体の回転に伴ってクラブは円運動を描きます。
なぜゴルフはサイドオンなのか?
フェースオンスポーツとサイドオンスポーツを比較すると分かりますが、サイドオンの動きの特徴には「遠く」に飛ばす(投げる)という目的があります。野球のバッティングなども分かりやすいですね。
ゴルフでは正確性ももちろんですが、飛距離がでればスコアが縮まる可能性が高くなりますから、ボールを遠くに飛ばすために、クラブに遠心力を働かせて効率よく運動エネルギーを獲得できるサイドオンになるということです。
そして遠心力は円運動が伴いますから(遠心力 = 向心力:等速円運動と加速度の関係)ゴルフスイングは円運動ということになります。
正確性を決めるのは最下点
そしてもう一つ、スコアを決定づけるのは正確性です。
正確性と言うとビッグワードなのでもう少し細分化してみましょう。
ゴルフにおいて正確を定義するのは「距離」「方向」「高さ」です。
毎回同じ「距離、方向、高さ」が再現できれば、そのショットは正確であると定義できますね。
距離を決める要素は「ボールスピード」「打ち出し角度」「スピン量」です。
そして「ボールスピード」は「スマッシュファクター」「クラブスピード」「アタックアングル」で決まります。
方向を決める要素は「クラブパス」「フェースアングル」です。
最後に高さを決める要素ですが「インパクトロフト」「入射角」「クラブスピード」です。
実は今挙げた中で遠心力で獲得される「クラブスピード」以外の各構成要素は、すべて「ローポイント(最下点)」によって決定されます。
最下点がスイングプレーンとどう関係しているのか知りたい方は私がGEN-TENで書いたブログを参考にしてみてください。
もちろん最下点はいつも一定かと言うとそうではなく、ライの状況に応じてコントロールする必要があります。
しかし、クラブの最下点は常にクラブが描く円運動の中にありますから、ゴルフスイングの核心というのは、この「円運動」と「最下点」という2つに集約されます。
スイングに悩んだなら基本に立ち戻る
雑誌やYoutubeなど今は多くのスイングメソッドが簡単に手に入る時代になりました。
その一方で、情報過多になって「何が正しい情報なのか分からない」というように、多くの方がスイングに迷っているというケースも多くみられるようになりました。
ゴルフスイング理論はこうしたゴルフの基本を獲得するための「手段」です。
「手段」には様々なものがあり、何が正しいとか正しくないということはありません。
もう少し踏み込んで言うなら、私たちがゴルフスイングの基本概念を理解するということが一番の上達に繋がるのかもしれません。