月刊カジュアルゴルフ6月号に掲載されたコラムです。
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2022年シーズンの国内女子ツアーは38試合で賞金額は過去最高の42億9600万円で1試合あたりの賞金総額の平均は1.13億円となりましたが、全米女子オープンの賞金総額は1試合で約12億円となり国内女子ツアーの10倍以上の賞金となることが決まっています。
記憶に新しいマスターズの賞金総額も今年は約18億円、さらに9月に国内で開催される男子アジアンツアーのシンハンドンヘオープンの賞金総額は約1.5億円に対して、翌週開催の国内男子公式ツアーANAオープンの賞金総額は1億円と、世界と日本の賞金額の差は年々大きくなっています。
背景にあるのは放映権問題、スポンサー企業のグローバル化、円安など挙げればキリがありませんが、これにより心配されるのは有望選手の海外への流出です。
実際に4月25日に千葉県で開催された全米女子オープンの予選会にエントリーしている選手数は前年比で1.4倍となり、かつては日本ツアーを目指していたトップアマチュアやアジアの選手達も今では日本を飛び越えて賞金額が大きい世界の舞台を一直線に目指しています。
松山選手のように日本人選手の海外での活躍は嬉しい一方で、二軍の試合に観客が集まらないのと同様に、国内競技の相対的な魅力が低下することで競技や選手への興味関心が薄れることでさらに差が付くことが懸念されます。
米国でもフィル・ミケルソン選手がサウジアラビアのオイルマネーを原資にする新ツアー構想の支持とPGAツアーへの批判を表明したことでマスターズを欠場するなど、競技とお金の関係は今後も世界中で物議を醸し出しそうです。