多くのゴルファーにミスの原因を訊ねると90%以上は「スイングのエラー」について回答します。
しかし本当にミスの原因はスイングのエラーだったのでしょうか?
ミスの原因が的確に特定できればあなたの上達のスピードはグッと高まるかもしれません。
「P-M-I フィードバックメソッド」とは?
「P-M-I フィードバックメソッド」は全米トップ100ゴルフコーチに選出されたフロリダのゴルフアカデミーのヘッドコーチArlen Bentoプロが効果をあげた選手育成方法で、「P-M-I フィードバックメソッド」を含むラーニングメソッド「ベントメソッド」からは多くの優秀なプレイヤーが輩出されています。
「P-M-I フィードバックメソッド」はP(physical-身体的)、M(mental-心理的)、I(intellectual-知性的)の頭文字をとったミスショットの特定方法で、主に中級者以上のプレイヤーに有効とされるラーニングメソッドです。
これは教育全般に言えることですが、海外では”答えを考える”ことを重視するのに対して、日本では”答えを覚える”ことを重視するのが特徴的で、ナントカ理論とかナントカ打法が上達法だと認識する日本と、こうしたラーニングメソッド(学習方法)によって上達を達成するという考え方をもつ欧米の違いがあります。
さて「P-M-Iフィードバックメソッド」の実際の使い方は、スコアを落とすことにつながったミスの番手、距離、原因をスコアカードに記入していきます。
例えば残りティーショットでドライバーでOBを打ってしまった場合、「250Y/Driver/P(physical)」と書いておきます。
こうしてラウンドでのミスの傾向を分析していくと、同じクラブで同じ原因にミスが集中しているなどの傾向が見えてきます。
P(physical-身体的)ミス
身体的なミスとはスイングの失敗によるミスのことです。
練習で7割以上上手くいくことをプレーの中でミスしたらそれはスイングのエラーと考えます。
このミスの種類に気づいたら「P」と記入します。
M(mental-心理的)ミス
心理的なミスとは、物音が気になってショットに集中できなかった、狙いが定まらないまま打ってしまったなど、打つ直前に何かが気になってしまった、など集中できない状況でスイングしたことによるミスです。
このミスの種類に気づいたら「M」と記入します。
I(intellectual-知性的)ミス
これは自分の技術レベルに相応しくないショットや、成功の確率が低いショット(成功確率が5割以下のショットに挑戦した場合)、ラフや傾斜からロフトの立っているクラブで打ってしまうなどのクラブ選択のミス、ラインの読み間違いなどです。
このミスの種類に気づいたら「I」と記入します。
一般的なスコア90程度のアベレージゴルファーの場合で、1ラウンドあたり10-15個程度のこうしたミスが特定できます。
フィードバックの活用法
実際に私も先日に同伴者と一緒にこれを付けてみましたが、スコアが悪いプレイヤーほど「I」のポイントが多くなりました。
以前にも『ゴルフが上達しないのは「人は自分の能力を正確に評価することができない」からです。』というポストをしましたが、やはりスコアを大きく崩してしまう人は成功確率が低いショットを選ぶ傾向にありました。
逆にプロや熟達者のレベルになると「M」が多くなります。
やはり技術が高まってくると、ミスの原因の多くはメンタルになってくるということでしょうか。
こうしてミスの傾向がつかめたら、そのミスを防ぐ対策を考えていきましょう。
例えば「P」が多ければミスが多い番手を重点的に練習したり、「M」が多ければルーティーンを強化したり、「I」が多ければ自分の番手やショットごとの成功確率について改めてコーチ(客観的な意見)と話し合うべきだと思います。
まとめ
冒頭にも書きましたが、多くのプレイヤーは「スコアがよくならないのは技術的な問題である」と思い込んでいます。
しかし、事例でも紹介したように、ゴルフにおいて技術的な問題とは普段成功しているショットをミスしてしまうことと定義した場合、多くのゴルファーのミスの原因は他の原因に特定されます。
ミスショットとは「スコアを落とす原因になったショット」ですから、もしあなたが7I以下の番手では50%以上の成功確率があるならば、それだけで回ってみるとあなたが上達しない本当の原因に気づけるはずです。
本当に上達したいゴルファーはお試しあれ。