99.9%の確率で旗竿を抜くべき科学的な理由

2019年のルール改正によって、パッティング時にピンに当たってもペナルティなしとなり、現在では多くのゴルファーがピンを抜かずにプレーをしています。

これはプレー時間の短縮を目的とした改正であり、実際に最近では旗を刺したままプレーする光景は当たり前となりました。

一方で勘の言い方ならお気づきだと思いますが、プロの試合を見ているとほとんどのプロがピンを抜いてプレーをしています。その背景にあるのはピンを刺したままのパットはカップインの確率が低いことが分かったからです。

Golf Digest.comに掲載された「The science behind why the flagstick should be pulled 99.9 percent of the time(99.9%の確率で旗竿を抜くべき科学的な理由)」に書かれた記事を要約したものが以下の通りです。

カリフォルニア州立工科大学の機械工学博士であるメイズ教授らの研究と実験によると、旗竿は非常に特殊な状況、主に3m以上オーバーするような強さで旗竿の中心に当たった場合にのみ役立ち、それ以外の場合ボールが弾かれてカップインは旗竿を抜いた時よりも確率が低下することが分かりました。

この実験によると旗竿がカップインの助けになる確率は、「旗竿の中心にボールが当たる場合」かつ、「カップを9フィート(2.7m)以上オーバーする強さで打った場合」にのみ、旗竿なしの場合よりもカップインの確率が上がるということでした。

旗竿の中心とは、すなわちホールの中心の約幅0.5インチ未満の領域に当たることを意味しており、優れたプレイヤーでも旗竿の中心にボールがヒットするパットは27.6%であることが分かった。さらに2018年のPGAツアーの統計によるとツアープレイヤーがパットした際に、3m以上のカップから離れてしまうようなミスをする確率は1%未満でした。
このことから、99.9%の確率でピンを抜いた方がカップインの確率が上がると結論づけています。
またこの実験で、旗竿がカップインの確率に全く影響を与えないのは1.3mオーバーまでであることも示されています。

https://www.golfdigest.com/story/the-science-behind-why-the-flagstick-should-be-pulled-999-percent-of-the-time/amp

私がこの記事を読んで感じたことは、プレーペースの観点からみるとピンを抜かないことは、スムーズな進行に好影響ですが、スコアの観点からみるとピンを抜いた方が良いということになりますから、以前のように一番近い人がピンを抜くというマナーが特に競技などでは戻ってくるように思いますし、カップインを妨げないピンの開発も進んでくるかもしれませんね。

この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、ゴルフ場のオーナー代理人、ゴルフコース改修プロジェクトマネージャー、人材育成のためのコーチング、セミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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