思い返せば2015年の6月、カジュアルゴルフの編集長でもあり屈指の”タイ通”として知られる青山さんに合宿の視察のために初めてタイに連れて行ったいただいたのがきっかけでした。
初めて訪れたタイでは、ゴルフコースは素晴らしさ、多様性に富んだ文化、美味しい食事、マッサージなどのアフターゴルフのアクティビティなどを体験して感動したのを覚えています。
私がタイに行きだしたきっかけ
翌年の2016年の1月にGEN-TENの強化合宿を初めてタイで開催しましたが、その時は言葉や文化の違いはもちろん、タイ独特のゴルフ事情にも翻弄され、過去に経験した仕事の中でも1,2を争うストレスを感じました…(苦笑)
時間通りに手配した車が来ないし、コースに着いたら予約がないと言われるし、それを担当者に確認しようとしたら休みでいないし、必死にメールの履歴やドキュメントを見せて説明して確認が取れてもスタートは2時間遅れ、部屋は指定したルームタイプと違う場所に案内されたり、料金は事前に約束して金額と違う…いちいち交渉や確認が必要で、本当にフンダリケッタリだったのを覚えています。
その時はタイ人のルーズな性格に嫌気がさしましたが、キャディさんのホスピタリティや、快適な気候、そして素晴らしいコースデザインとコンディションにお客様の満足度は高く、その後も開催を重ねるうちに私もタイ人のパーソナリティや文化を理解し、今ではすっかり溶け込んでいます。
もともと私は10代の後半を海外で過ごしていたこともあって、外国人に対する偏見や抵抗がなかったり、異文化や異なった価値観を受け入れるのは得意な方だと思いますが、これほどまでにタイにハマった理由は、仕事を通じて知り合ったタイ人のおかげだと思います。
ちなみに私はタイ語が全くできないので、私が付き合っているタイ人とはカタコトの英語で会話をしています。
そして英語が話せるタイ人というのは、タイの労働階級ではハイクラス人材であり、彼らはいわゆる一般的なタイ人というよりもインテリ層だと思います。
実際に彼らは平均的な日本の社会人よりも仕事ができると思うし、スキルも高く、ほとんどの人たちが海外での生活経験がある。
車もコンドミニアムも持ってるし、海外出張も多いし、給料も聞いたらネットで出てるタイ人の平均給料の3倍くらいもらってる人たちが多かった(^^;
そんな前提も含めて私が感じるインテリタイ人の特徴をまとめてみました。
↑仕事だけじゃなく、ゴルフや食事で仲良くなります(笑)タイ人じゃない外国人も混ざってるけど..w
タイ人は基本的に優しい
敬虔な仏教国でもあるタイ。特に日本の大乗仏教(モダンブッティズム)とは違い、上座部仏教(トラディショナルブディズム)の流れを汲むためか、徳を積む行為に対して積極的です。私の友人の中にも毎週必ずお寺にお参りにいくというブッティストは多く、寄付や施しの文化も根付いて、何か困っていることを告げるとほとんどの場合で何らかの手助けをしてくれます。”基本的に”と書いたのは、後述する賢さゆえに気持ちは優しいが行動は損得が重要であるということを付け加えておきます。
タイ人は積極的ではないが人懐っこい
仕事やプライベートで知り合っても積極的に仲良くなるという感じはないです。もともとホスピタリティは高い民族性なので親切でおもてなし感はありますが、あくまでも最初はビジネスライクです。これは日本人とよく似ているかもしれません。
しかし何度かメールやLINEでやりとりをしたり、SNSで交流をしたり、食事を共にすると徐々に打ち解けていく感じです。なのでコミュニケーションツール(特にLINEとFacebook)はタイ人と交流をするのには必須のツールです。そして仲良くなると色々とお世話を焼いてくれます(笑)これは私が外国人でタイに慣れていないことを見越してのことでしょうが、彼らも日本で欲しいものがあると買ってきて欲しいと依頼をしてきたりと、割と近い距離感での関係になります。
タイ人は仲良くなると融通がきく
そしてタイと言えば”融通がきく”というのが仕事の上では重要なキーワードです。
以前に政府の職員の方と話した時も「タイで仕事ができる人というのは”融通がきく人”という意味なんですよ」と仰っていましたが、まさにとの通りだと思います。日本や欧米に比べると法律やルールに関する認識がユルイので、これを悪く受け取ると「決められた通りに進まない」となりますが、逆に言うと「決められたことでも変えられる」と捉えることもできます。実際に私もこのコツを掴んでからはかなり仕事が進めやすくなりました。
また融通をきかせてもらう時に大切なのが、誰に頼むかと、頼んだ人との関係性です。なのでタイで仕事をするにはタイ人の味方をたくさんつけることが大切で、ゴルフ場のコンタクトレート(契約価格)が急に変わったり、満席だったはずのホテルが急に空いたりします(笑)
タイ人は賢い
ここでの賢いというのは例えば基礎学力が高いという意味ではなく、理解が早いという意味です。タイ人は「Easy undestanding」を重視します。これは理解が早いという事や話の意味を捉えているという事です。タイは単一民族国家ですが、アジアNo.1の観光都市でもあるため、総人口の約半数の外国人訪れる多様性国家です。様々な価値観や文化が交差する中でニーズを汲み取る多様性理解があり、相手のニーズを察知して対応を変える柔軟さがあります。
これは世界屈指の外交上手と言われる所以で、過去一度も植民地化されず独立を維持していることや、資源に乏しいためにどの国とも上手くやっていかざるえを得ないという強かさがあります。タイ人との交渉には油断大敵で、彼らは利を得る能力に長けています。
しかし、その柔軟さがやはり「決められた通りにならない」「話が急に変わる」というストレスの原因にもなります。とにかくタイでは「決まり」よりも「メリット」と「ケースバイケース」なのです。
タイ人は楽観的
タイの仏教では出家する際には何も持たずに出家するそうです。食事も托鉢などで恵んでもらい、恵んでもらうとその方の幸福を願い祈りをお返しするという修行を積むそうですが、こうした相互補助が根付いているのと、寒さや飢えで死ぬことがない気候や環境もあってか、将来に対して楽観的な人が多い感じがします。タイにも年金制度があるそうですが、聞いたところ老齢年金は月に700バーツ程度の支給らしく、とても生活に十分ではないのに将来のために貯金をする人は少ないし、行動に計画性がない(明日早いのに遅くまで呑んだり)ことが多いです。
しかし彼らはその楽観に対して寛大で、人間らしい多少の愚かさはマイペンライ(気にしない)と許す心を持ち合わせています。
タイ人と付き合うためには、広い心を持つことがポイントです。
ボッタクリの認識はない!?
最後に、よく日本人が言う「タイでボッタクリにあった」という認識ですが、彼らからすると外国人とタイ人ではコミュニケーションコストが違うので内外価格差があって当然だと言う認識だそうです。英語や日本語を話せるスタッフを介すということはそれだけ人件費が上がるので特にサービスは高く売る必要があるということや、タクシーでも目的地や道順に詳しくない外国人を乗せることは遠回りの原因になるのでメーターを回さない。みたいなことが彼らのロジックであり、決して騙しているという感じでもないようです。特に日本人は英語が話せない人が多いという印象と金払いの良さもあって高い価格を請求されることがあるようです。スムースにコミュニケーションできることが分かると言い値が変わる場合があります(笑)
犯罪レベルのボッタクリは別ですが、数百バーツくらいの価格差が存在する理由はそんなところのようです。
いろいろ書きましたが、私たちと同じとやはり個人のパーソナリティによってもかなり違います。
タイに滞在している時は、ほとんどタイ人の友人と食事を共にして、今ではすっかり私も彼らに馴染んで仲良くしています。
こういう異文化理解もデュアルライフの楽しみだったりします。