月刊カジュアルゴルフ9月号に掲載されたコラムです。
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キャメロン・スミスのメジャー初優勝で終わった第150回の全英オープンですが、第175回以降はゴルフの故郷セントアンドリュースで開催できるか不透明となっています。
気候変動が社会に与える影響を研究している一流の科学者とジャーナリストで構成されるClimatel Centralが2021年に発表したレポートによると、毎年の洪水の増加と海面上昇によってセントアンドリュースは2050年に水没する可能性があるとのことです。
実際にスコットランド北東部の海岸に位置するコース「モントローズリンクス」ではコースに面している北海がコースに70メートルも近づいていて、その信憑性を唱えています。またカーヌスティやロイヤルトルーンといったスコットランドの海岸沿いにある2つの歴史的コースもこの影響を受ける可能性があり、気候変動の影響は特にゴルフ発祥の地スコットランドの100以上のリンクスコースに影響すると言われています。
R&Aでは2018年から「ゴルフコース2030」というプロジェクトをスタートしており、こうした「気候の変化」や「資源の制約」などがプレイアビリティ(プレーのしやすさや楽しさ)に与える影響を検証するとともに、環境持続可能的なプロジェクトに65万ポンドを拠出し、ゴルフコースの管理手法の見直しなどを促しています。近年は日本でも温暖化による気温の上昇によって芝種の変更を余儀なくされるコースが出るなど、気候変動とゴルフの関係は今後も注目のトピックとなりそうです。