月刊カジュアルゴルフ8月号に掲載されたコラムです。
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今年第150回という節目のメモリアル大会となる全英オープン。
ゴルフトーナメントとしては世界最古の大会と言われており、その歴史は1860年にスコットランドのプレストウィックゴルフクラブで開催されたわずか8名による大会が最初で、このときの賞金はわずは25£(約4,000円)でした。
そしてゴルフ発祥の地と言われる今年の開催地でもあるセントアンドリュース・オールドコースで初めて全英オープンが開催されたのは1873年で、最初にトーナメントが開催された年から13年後のことです(意外かもしれませんが第1回から12回まではプレストウィックで開催されています)。
全英オープンが「The Open」と呼ばれるのは、この当時まだ他のトーナメントがなかったので、区別する必要がなかったことから定冠詞である「The = その」になっています。「そのトーナメント」といえば誰もが”そのトーナメント”であることが分かったということです。
他のメジャー大会と違い、5年に一度のペースで全英オープンがセントアンドリュースで開催されている理由は諸説ありますが、綿密に計画された近代ゴルフに対して、自然発生的に誕生したゴルフの伝統的なコースであるリンクスでメジャー大会を開催することで、ゴルフの系譜や歴史を世界に広く発信していくことがその理由と言われています。
雑草のようなラフ、強風、予想外のバウンド、近代ゴルフと対象的に偶然と運が強く影響する全英オープンは、私達にゴルフの起源を思い起こさせてくれる大会の一つです。