月刊ゴルフマネジメント連載#11 コーチングでエンゲージメントを高める(下)

ゴルフ界の総合経営誌『月刊ゴルフマネジメント』さんで、人材育成に関するコラムを連載させていただいております。

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第10回はのテーマは「コーチングでエンゲージメントを高める(下)」です。
前回の記事はこちらからご覧ください。


さて前回のコラムでは、エンゲージメントとは何か?なぜエンゲージメントが必要か?エンゲージメントをどう測定するのか?ということを書きました。今回はエンゲージメントを高めるためにどうすれば良いのか?ということについて解説していきたいと思います。

目次

エンゲージメントを高める仕組み作り

まず結論から書きますが、エンゲージメントを高めることに限らず、何かプロジェクトを成功させるためには「良い仕組み」と「良い行動」が必要です。前回のサーベイの設問を見なおして頂いたら、全ての設問の頭に「社員が〜」、そして後ろに「〜できる仕組み」という言葉を足してみてください。例えば、設問1の「職場で自分が何を期待されているのかを知っている」であれば、「社員が職場で自分が何を期待されているのかを知ることができる仕組み」という具合です。

仕組みとは?

ちなみに「仕組み」と「ルールや取り決め」を混同する人がいます。

「こう決めたから」では仕組みとは呼べません。仕組みとは「何度でも」「誰でも」「どんな時でも」それが繰り返されるように要素が構造化されたものです。

例えば「ルールを決めた」というだけでは人は動きませんが、そこに「評価や罰」が加わることでそのルールを自然と守るようになります。これは私達が誰かに指示されなくても交通ルールを守ったり、納税をするのと同じですね。

仕組みの例

先ほど例にあげた「社員が職場で自分が何を期待されているのかを知ることが出来る仕組み」とした場合の事例としては、全ての従業員にジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を作成して、担当する職務の内容、期待する行動や成果、権限と責任、評価や待遇といった業務概要を書面で手渡し毎年1回更新することや、それをもとに行動目標や努力目標を設定して、達成に応じた評価や報酬を取り決める、という要素を組み合わせることではじめて仕組みとして機能します。

こうした取り組みはあまり馴染みがないかもしれまんせんが、ジョブ型雇用が中心の欧米企業では非常に重要視されている仕組みで、最近は日本でもMBO(目標管理制度)と共に導入されるケースが増えてきています。

実際に私が以前に経営していた会社でも毎年必ずパートタイムも含めた全てのスタッフに職務記述書を渡して、前年のレビューと今年の目標について話し合う機会を設けていました。

仕組みの集合体 = 人事システム

先述した事例に基づいてQ12の設問をまとめていくと、「社員が能動的に仕事をするための動機や環境を整える仕組み」「社員が自らの貢献を実感できる仕組み」「社員が組織の一員であると実感できる仕組み」「社員の働く目的と会社の目的が一致するような仕組み」「社員が自ら成長できる仕組み」という配置、評価、育成といったカテゴリーにまとめられます。
こうした仕組みをまとめたものを「人事システム」といいます。

人事システムとは一般的に「採用」→「配置」↔「育成」↔「評価」↔「報酬」→「退出」という人事においてそれぞれ重要な仕組みが相互に効果的に作用するよう設計された制度のことを言います。

よくある失敗としては、綿密に設計するあまりに従業員がわからないくらいに複雑になってしまい、運用がうまくいかないケースもあります。様々なケースを想定してしまうとアレヤコレヤと補足や例外を付け足してしまいがちですが、できるだけシンプルな仕組みを心がけてみてください。

仕組みを動かすのは人

そして最も忘れてはいけないことは、仕組みを動かすのは人ということです。
この記事の冒頭に”仕組みとは「何度でも」「誰でも」「どんな時でも」それが繰り返されるように要素が構造化されたもの”と書きましたが、誰でもの「誰」はロボットではなく私たち人です。
当たり前ですが、人には感情や個性があり、得意なことも違えば、気分によって言動や態度も変わって当たり前です。
例えばどんなに優れた仕組みであっても、その仕組みに納得できない人、理解できない人、うまく合わせられない人もいれば、逆に率先して仕組みを取り入れ他のメンバーにも仕組みにそった行動を促してくれる人も現れます。
皆が皆ロボットのように一斉に、同じ動きで、仕組みに従うわけではないのです。

エンゲージメント向上は「仕組み」と「対話」という二輪車

ですから、指導者はメンバー一人ひとりと向き合い、何が得意で何が苦手なのか?何のために働いているのか?適切な資源が与えられているのか?評価に不満はないのか?どんな能力を身に着けたいと思っているのか?といった個別の背景に向き合い、意識や行動を変えていくというコーチングが必要になります。

私たち人が求める評価というのは決してお金だけではありません。良い行動を上司に褒められる「称賛」や、悩みを聞いてもらえるという「尊重」、自分の考えや思いに共感してもらえる「同情」などは感情的報酬と呼ばれ、こうした目に見えない報酬の作用が人の意識や行動を変えるという根拠がコーチングメソッドのベースになっています。

ですから、わたしたちは人の「対話」という駆動で推進力を得ながら、「仕組み」というハンドルで正しいゴールへ導くというエンゲージメントへの二輪車を漕ぎ続けるのです。

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この記事を書いた人

ゴルフ活動家
ゴルフビジネスに特化したコンサルティング、パフォーマンスコーチングのセミナーや執筆をしてます。詳しくはプロフィールページをご覧ください。

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